このページに書いてあるコトは、かなりマニアックな内容です^^;
また、業界的にはタブー的な話でもあります。
このページに検索から入ってくる人は、すでに脱毛に関する知識をある程度持っている人が多いと思います。
もしも間違って迷い込んでしまった場合は、お手数ですが脱毛に関する基礎知識の内容を頭に入れてから読んでもらうと、より理解してもらえると思います^^
INDEX
このページで話すことの大前提と疑問に感じた背景
まず大前提として、ダンディハウスやMEN’S TBCは医療機関ではなくメンズエステサロンです。
そして、メンズエステでは永久脱毛をおこなうことはできません。
にも関わらず、ダンディハウスやMEN’S TBCでは永久脱毛効果が見込める針脱毛(ニードル脱毛)を扱っています。
このことを知った時、なぜダンディハウスやMEN’S TBCでは針脱毛をおこなうことができるのか?とても疑問に思いました。
ちなみにMEN’S TBCは、思いきり公式サイト上で言い切っちゃってます・・・
このようにどう考えても「針脱毛=永久脱毛」なのに、ナゼか
・メンズエステで針脱毛=OK
となっている現状があるのです。
ですが、この疑問に対していくらネットで検索しても全く答えが出てこない・・・
なので直接とある医療脱毛団体の学長さんに電話で話を聞きつつ、ナカやんの推測も含めてまとめてみました。
ナカやん
メンズエステで永久脱毛である針脱毛ができるワケ
監督機関が存在しないエステサロン業界
クリニック(医療機関)の管轄官庁は厚生労働省で、監督機関は保健所。一方のメンズエステサロンの管轄官庁は経済産業省で、監督機関は存在しません。
クリニックは医師免許が無ければ開業できず、医師法によって色々と制限を受けますが、エステサロンはぶっちゃけ特に資格が無くても開業できます。
つまり、エステサロンには指導したり取り締まったりする所が無いのです。
通常、クリニックで使用されるレーザー脱毛器は医療機器なので、海外から輸入して購入する際は医師免許の提示が求められ、保健所に認可されているクリニックでしか使用することができません。
ダンディハウスやMEN’S TBCで使われている針脱毛器は、性能として永久脱毛効果のある医療機器相当ではあるものの、美容機器として購入されているようです。
厚労省の見解は通達であって法律にあらず
ただ、施術内容は医療行為相当なので捕まらないのが不思議と思うかもしれませんが、実は多くのクリニックが拠り所としてサイト上に表記している厚生労働省の見解は通達であって法律ではありません。
医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて
医政医発第105号 平成13年11月8日
第1 脱毛行為等に対する医師法の適用
以下に示す行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること。(1)用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為(⇒ナカやん注記:この行為が脱毛のことを指しています)
(2)針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為
(3)酸等の化学薬品を皮膚に塗布して、しわ、しみ等に対して表皮剥離を行う行為
第2 違反行為に対する指導等
違反行為に関する情報に接した際には、実態を調査した上、行為の速やかな停止を勧告するなど必要な指導を行うほか、指導を行っても改善がみられないなど、悪質な場合においては、刑事訴訟法第239条の規定に基づく告発を念頭に置きつつ、警察と適切な連携を図られたいこと。
つまり、通達(上記の内容)は解釈の目安として重要な意味をもちますが、法的な拘束力はなく、それを破ったところで即座に罰則があるわけではないのです。
(2019年2月27日追記)読者さんからコメントで指摘を受けたことを踏まえて追記しました。
上記通達には「光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」が医師法第17条に違反すると書かれていますが、レーザー脱毛や光脱毛で扱う光線だけではなく、今回の記事テーマである針脱毛についても医師法第17条の医業に該当するという見解がなされています。
いわゆる「永久脱毛」行為について
医事第69号 昭和59年11月13日
【警察庁保安部⇒厚生省への照会】
京都市に本店を置くW株式会社が、不特定多数の女性を対象に、電気分解法及び電気分解法と高周波法の混合による手法により永久脱毛行為を行っている。このような永久脱毛行為を業として行った場合は、医師法第十七条の医業に該当すると解してよいか。
(毛のうへ長さ一五mm、厚さ〇・二mmの針を五mm程度挿入し、
①直流を通電して、水酸化ナトリウムを発生させて毛根部を破壊する。(電気分解法)
②高周波電流を通電して、抵抗熱により毛根部を破壊する。(高周波法))
【厚生省⇒警察庁保安部への回答】
毛のうへ針を挿入し電気を通し毛乳頭部を破壊する方法による脱毛行為に関する疑義について御貴見のとおりである。(⇒ナカやん注記:医師法第17条の医業に該当する)
エステサロンが摘発されるのは被害届がきっかけ
過去に何件ものエステサロンが警察に取り締まられる事件が発生していますが、あれは「医療行為である脱毛をおこなった」から取り締まられているのではありません。脱毛で肌をヤケドしたお客さんから被害届が警察に提出され、お客さんに対する傷害の疑いで捜査が入り、その結果、医療行為を無資格者が行ったという医師法違反で逮捕されているのです。
逮捕されたエステサロン側は「ウチでは医療行為をおこなっていません!」と主張しているのですが、現に皮膚が焼けてヤケドを負っているわけですから、それは「何かが焼けている、つまりそれは医療行為をやったからでしょ!」という理屈なのです。
逆に言うと、こういったヤケドなどの被害が無ければ、医師法違反の認定は非常に困難です。
患部にメスをいれて毛根周辺を医学的に見てみないと分かりませんからね・・・(汗)
そんなことができる訳もありませんし、それで毛根周辺の組織に何もおこっていなかったら・・・と考えると、どうしてもこういった「事後的な対応」しか取れないのも止む終えません。
グレーゾーン状態の針脱毛
大手のダンディハウスやMEN’S TBCの場合は、何かお客さんと肌トラブルがあった時、被害届が出ないように示談で解決、簡単に言うとお金で解決しているからお咎めにならない(ということらしいです)
また消費者センターから問い合わせがあっても、
スタッフA
スタッフB
という主張をしているようですね。
このようにメンズエステで針脱毛を扱うというのは、かなりグレーゾーンなわけです。
ダンディハウスはそういった風潮を意識してか、年を追うごとにHP上の表現が穏やかになっていってます。
本来は「ウチは永久脱毛です!処理した毛は一生、生えてきません。」と書きたいところだと思いますが、そうできないというわけですね。
(憶測)経産省が監督していることも影響してる!?
最後に、これは推測ですが、エステ業界の監督官庁が経済産業省なので、大手のダンディハウスやMEN’S TBCを今になって潰したくはないというのも多少はあるのかもしれません。
ご存じのとおり経産省は日本の行政機関の一つで、「民間の経済活力の向上及び対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済及び産業の発展並びに~(以下略)」を任務としています。
なのでここでエステ業界を潰してしまっては、明らかに民間の経済活動にはマイナスですよね。
ですが、そうはいっても、やはり人体に関わることです。
現在は「何かあってから初めて警察が動く」というユルい状態になっていますが、取締や摘発がいきなり行われる可能性が無いわけではありません。
その場合、返金はされるのか?残りの脱毛施術はドコで受けたら良いのか?など色々と問題が出てくる可能性があります。
ナカやんは全くオススメしませんが、これからダンディハウスやMEN’S TBCに行かれる方は、そういったことも頭に入れて通うようにしてください。
なぜダンディハウスやMEN’S TBCは針脱毛を止めて光脱毛メインで施術しないのか?
医師が行うべきとされてるのは光線を使った脱毛と書かれているからニードルは別に誰がやってもいいんじゃないですかね?
コメント有難うございます。
確かに記事内で引用した厚労省の通達部分を読むと、ご指摘されたような理解になりますよね・・・。
完全にこちらの説明不足です。スミマセン。
記事の意図としては、『毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為(=永久脱毛)』に着目して、この行為が医療機関でしか許されないはずなのに、永久脱毛である針脱毛をなぜメンズエステが行うことができるのかを指摘した記事でした。こちらとしましては、その手法についてまで気が回っていませんでした。
今回の針脱毛について、よりピンポイントで回答した厚労省のリンクを記載しておきます。
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0949&dataType=1&pageNo=1
読んでいただけると分かっていただけるかと思いますが、『針脱毛は医業に該当する』と回答がなされています。
記事内の引用としては上記ページがより適切だっと思います。
本ページについては、追って追記・修正をさせていただきます。
改めましてご指摘有難うございましたm(_ _)m